2023年5月1日に発売されたジャンプGIGA 2023 SPRING。

ジャンプの増刊号であるこの雑誌には新人作家の漫画が掲載されています。
各漫画の紹介とネット上の感想をまとめました。
純潔のアスモデウス ミウラタダヒロ
純潔を守らなければ力を失くしてしまうエクソシストの元に、色欲の魔王の娘が憑りつくことに。
離れようとすると不思議な力で体がくっついてしまう呪いまでかけられたエロコメディー漫画。

ネット上の感想
絵の上手さ華やかさストーリー構成の的確さ どれをとってもプロフェッショナル
不可抗力でラッキースケベやら起きる理由付けやら読者が引かないよう腐心の工夫が上手だ
主人公(聖職者)がフツーすぎて魅力がなく…いっそ少年にしておねショタにしてくれと思ったり
コガラシ君同様主人公の見た目がモブいような
ラッキースケベ設定の展開への活かし方だったり、アシュの悪魔的な善性が発揮されてるシーンで愛に目覚めたり、色欲ではなく嫉妬に負けそうになったり。
いろいろな見せ方が丁寧でベテランの技を感じる。
こういう類のはラッキースケベとかが微妙に感じることがほとんどだけど呪いという形にしてくれていたからそこがノイズにならずに楽しめたのが良い
些細な事ではあるけど、敵になった牧師さん(先生)のフォローを入れているのは令和のジャンプ漫画には重要な要素で良いと思う。
俺の感想
お色気シーンが魅力的。
そこに至る呪いもストーリーと噛み合っているので自然な流れでエロに持っていけるのがすごく良かった。
龍神図 旅頃九時
神様を描いた罰で失明した画家の主人公。
視力を失ってからも絵を描き続ける。

ネット上の感想
これを読めただけでジャンプGIGAの元は取れた
今年の最高傑作に入るんじゃないかなってぐらい読後感が良くて好きでした。
澄賀の絵に対しての向き合い方とかみずはの気持ちの描きかたが丁寧なのが良かったです。
情感たっぷりで泣ける作品だけど、このアイディアにこのページ数はちと長くて間延びしている
半分のページ数でまとめられると思う
最初の絵巻が何描いてるか分からなかった
人に見られた神はやがて消える→でも5年は一緒にいても平気?
最後の龍神図が何故かでかくなってる
二人のキャラがどっちも共感できなかった
素晴らしかった!絵が上手すぎる。
澄賀の天才性に技術的根拠が示されていて、その根拠が故に陳腐化してしまうのは納得感あって好き。 会話の温度感も丁度いい。重すぎず軽すぎず。
自己のために絵を描いていた澄賀が、神に奪われ神に救われ恩を返して傑作に至る。良い。
人生を狂わせる事態に陥ってもただただ絵に没頭する画家の飄々とした一途さに惹かれ、神さまとの交流に胸打たれました。
俺の感想
前作に引き続き絵描きを題材にした漫画。
描きたいテーマをしっかり持っていて、そのテーマである「絵を描くこと」の魅力がちゃんと伝わってくる作品になっている。
作者がかっこいいと感じているものが作品を通して伝わってくる。
絵をテーマにしているだけにこの作品も魅力的に描かれていて読みやすいしキャラデザも良い。アクがなくて誰でもとっつきやすい絵柄をしている。好きだこの絵柄。口の描き方が良い。
絵を描く理由について述べている見開きのシーンがすごく良かった。
最後神社を復興させるのもみずはが復活してるのもかなりグッとくる展開だし再会をはっきり描かないのも想像が膨らむ。見られたら消えるからハッキリとは顔を合わせてはいないのだろうか。考えさせられる。
他にも最初の目が見えないことから起こるいろんなコメディシーンも面白かったし、各場面が面白く描かれている。
良い漫画だった。
つばめデリバリー 鈴木セナ
街で迫害を受ける少年が人間の感情を読み取れる機械人形と出会う。

ネット上の感想
手堅くまとまっている良作 小さくまとまっているとも言う
全項目70点みたいな、飛び抜けた何かを欠く
感情がわかっても空気が読めないところ、触れ合いを通して学んでいくところアンドロイドものではベタだけど丁寧に描かれてて好印象です
機械だから失礼なことも遠慮なく言うのは良かった
ブーストのきっかけが機械らしくなくてしっくり来なかった
いじめキャラが謝るのも何か唐突だった
つばめの足も敵も機械の造形はいまいちかな
台詞がとても良い。 感情の伴ったものではない、形式だけの儀式的な謝罪。
その場の全員が自分の感情に嘘をついていても、前に進むために受け入れなきゃいけないことがある。 理解するだけがコミュニケーションではない。
ちょっと序盤世界観に追いつけないところはあったけどよだかの気持ちがしっかり伝わってくる感じが好きでした。
俺の感想
人間の感情を描いたいろんなシーンが面白かった。
人間の「ほんとう」は真実の感情だけでできていないのセリフとか、最後お礼を言ったり謝っている人たちが心の中ではネガティブな感情を抱いていることなど。
特に、謝るモズに対して怖いから、楽になりたいから言っているだけというセリフはちょっとした衝撃。
みんなが言葉の上で和解してめでたしめでたしではなく、その奥まで描写していることに驚いた。
その後の、でもこの儀式が必要だったのシーンもすごくグッと来る。
人間の感情をテーマにした漫画で本当に人間の感情の機微が伝わってくるのがすごく良い。
あとつばめがよだかの触れてほしくない気持ちに言及するシーンも良かった。
アップになって、謝るところでカメラが引いて小さく全身が映る。すごく気味が悪い。
きょうだいの鍵 不二海
不登校の妹が召喚術を会得してしまい、異世界からいろんなものを呼び寄せる。
そんな妹を心配する兄だが中々わかりあえず・・・。

ネット上の感想
ケルベロスと化け猫の絵柄や動き、シュールさが笑いに繋がりました笑
ケルベロスらしき犬が良い味だしてる
この世界観でやった後に「学校だけが世界じゃない」は普通に上手いなと思った
召喚してきた魔物の使い方(使われ方?)が面白くて好き。
兄妹の関係を直すだけじゃなくていじめした人に報復して学校へ行きやすくしてるの好き。ちなみにこの行動は妹には知られてるのかな…?
何を書きたかったのか分からない
書きたいことが未整理過ぎてガチャガチャしてる
前半だけならギャグかなと思うのに終盤で妹のいじめと兄による解決が出てきて訳が分からなくなる
この結末のための前振りだとしたらいじめネタが唐突でチグハグ
いじめっこを成敗する展開はいらなかったかな、なんか竜まで増えてるし
異世界に行く行動力があれば学校に行けるは説得力ありすぎる
妹は小学生なのかな?顔が大人だから分かりにくい
俺の感想
楽しい漫画だった。ギャグシーンも面白い。
「注意の仕方は合ってるのだろうか」とか「危なさにバリエーションつけるのやめろ」とか面白いセリフがたくさんあって何回も笑った。
犬も可愛い。
猫のモンスターも可愛いし、犬と猫のバトルシーンも笑った。犬がぶっ倒すとか負けんとか言ってるのがすごく面白い。
全体的にゆるく可愛く、楽しい。
いじめの解決まで描いているのもすごく良い。最後、登校を怖がる妹に対して異世界を絡めた言葉で説得するのもめちゃくちゃ良い。
こりゃあ良い漫画だ。
彼らの1週間 縁
除霊ができる主人公と強力な悪霊に取りつかれたヒロインのコメディホラー物語。

ネット上の感想
絵柄も会話も瑞々しくて魅力的。特に会話が面白い。
6日目かなり好き。セラ君は犬。
行動だけ見た時主人公の行動は結構やばいんだけどその後の反応がシュールだから気にならず2人の掛け合いを楽しめる作品ですごく好き。
最初からホラーの枠組みで描いているから、毒親が単なる怪異の一部になってしまっていて衝撃性が大幅に薄れている 『タコピー』くらいの底辺描写があればまた違うんだろうけど……
毒親なりいじめっ子なりの暗喩としての怪異はキャラ個人の内面的問題故に読者が共感するように描かねばふーんで終わっちゃう
心の傷の重さを知らない人が、カタルシスを得るために安直に利用してるテンプレになっちゃってる感は否めないのよなあ
「普通」とはズレてるけど2人だけの関係性とか雰囲気みたいなものがめっちゃ好きなので割と刺さった
まー如月ちゃんの無限に勘違いさせてくる系のムーブが可愛いこと可愛いこと
最後のページは良かった 料理は何を作ったのか全然分からなかった
一週間がゆるゆるでもう少し緊張感があってもよかった気がする
俺の感想
この作品独自のノリがあってオリジナリティがあって良かった。だからキャラがそれぞれ立ってる。
血縁者だから内側からの攻撃が有効という設定がすごく納得できて良かった。
最後死ぬのが自殺の予定だったりと、物語の中にタネがいろいろ隠されているのも良かった。
全体的に毒や癖が強く入っていて、しっかり味付けされている作品だから刺さる人にはものすごく刺さりそう。
斎藤さんと妄想癖な僕。 金津まる
妄想癖のある主人公と心が読めるヒロインのラブストーリー

ネット上の感想
妄想はくだらないけどクスッと笑えるし主人公のピュアさが出てて好きw
こういう突き抜けてるのは悪くない でもちょっと似たような妄想ばっかりでくどいかな
心が読めてるのかなと思わせてその通りなのも意外性がない
高台家の人々と似すぎている
実はかまってあげてたのは…みたいな実は裏がありました的なあからさまな見せ場がなくこういう関係になって欲しいなーって感覚のまま付き合ってくれたのがすごく好き。
俺の感想
主人公の妄想がバラエティがあって良かった。
所々妄想シーンが挟まるので設定どおり妄想に取りつかれている主人公であることが伝わってくる。
しかしこれは好みの問題なのかもしれないけど、この手の空想とか妄想がテーマの作品ってどうしてもよくわからない意味のないものを見せられているようで置いてけぼり感を感じてしまう。
閻魔少年の韜晦 緑水刀
地獄から鬼から流れ込んでくる世界。
閻魔大王の息子である主人公は人間の世界に興味を持ち学校に通っていた。

ネット上の感想
酒呑と話す時の台詞がとても良かった。
目を瞑っててくれよ、の諦めの滲む寂しさが好き。
ちょっとガチャガチャしてて読みにくい
主人公周りの物語とヒロイン周りの物語とが上手く連動してなくて互いを邪魔し合ってる
読者としてはどちらの視点で読めばいいのか分かりにくい
絵は華やかで艶もあるのでプロ向きだと思う
語りたいことをあれもこれもと盛り込まず引き算を覚えたらかなり有望
最初の等活地獄の獄卒が出てきたシーンで掛け合いできる作者なのがわかる
キャラと鬼で割と絵柄変わるのもイイネ!
設定とかの厨二っぽさもワクワクするし、
綺羅々木さんのキャラもけっこう好きw
最初の敵は錫杖で斬ったのか、後で刀部分が出てきたから最初分からなくて混乱した
武器の形状が安定してないのがなんだかな、こだわりを感じない
閻魔が元の姿になってからのセリフとか半見開きがかっこよかった。 ヒロインがちょっと気の毒感のあるままなのが個人的に気になる。
俺の感想
酒吞童子のデザインにインパクトがあって良かった。
登場シーンから目を引かれる。
メインキャラっぽい女の子がメインの出来事にほとんど絡まなかったのがもったいなく感じた。
そこらへんは読切漫画としての構成ではなく連載を意識してのものだろうか。
ボムーン 守謙
宇宙からやってきた謎生物がひとりぼっちの少年のもとに現れるコメディ漫画

ネット上の感想
やってることは前作と同じなんだけど作者が描きたいであろうテーマが徐々に表に出てきている雰囲気が漂ってる
ここで殻を破れたらヒューマンドラマの描き手として弾けそう
途中までハートフルな感じでよかった。
コメディタッチなのにDV要素を盛り込んでしかもファンタジーに解決されてもピンと来ない
2人で皿洗いをするシーン、ここには引き込まれる所があった。
皿洗いしかしてなくない?転調のシーンがあまりに唐突なのはその設定にしては家が広すぎたり観葉植物があるとか生活に余裕がありそうなのが原因なので、もうちょっと背景等も考えて漫画を作って欲しい
とにかく絵が見やすい話がわかりやすくて親切な漫画でした。
宇宙人の見た目が可愛いのに口が悪いギャップが良い
俺の感想
まずタイトルがゆるくて笑った。
前半のコメディパートの子供向けっぽい絵柄が好印象。統一感、安定感を感じる。
その雰囲気はただデフォルメすれば出るものじゃない、誰でも狙って出せるものじゃないように思う。
独特の才能を感じた。
皿洗いシーンは短いページ数なのになんかやけにジーンときて感情移入できた。
後半の酔っぱらいも妙にリアリティがあって怖くて良かった。
怪異学園探偵ガールズ 鬼木希乃
様々な怪異が集まる学園の生徒である化け狸の主人公は、同級生を殺した疑いをかけられる。
学園にただ1人だけの人間である探偵の女の子と一緒に事件の解明へ向かう。

ネット上の感想
キャラが愛らしい しかしさすがにこれをミステリに分類したらいかんわ
ハウダニットとしてもフーダニットとしてもご都合主義が過ぎる
お手本になる妖怪ミステリは漫画にも小説にもあれこれあるのでもうちょっとお勉強を
押戸と引戸を間違えてるコマがよく分からなかった
脚立に変化するのはアリなのかな、背の高い怪異に化けるとかのほうが自然な気がした
設定が勝ちだし探偵とワトソンが百合なので大勝利なんだけど、ミステリ漫画なのに犯人とトリックがめちゃくちゃ弱いという致命的な欠点がある
俺の感想
いろんな怪異が集まるハチャメチャな学校という設定が面白い。
花子さんと赤マントが一緒に昼ご飯を食べてるところとかすごく楽しい。
だからこそ、そういったこの漫画ならではのコメディシーンがもっと見たかった。
怪異たちの中に1人だけ人間が入り込むという設定もすごく面白い。
設定を聞くだけでもすごく面白そうだとワクワクできる。
しかし個人的な好みかもしれないけど、全体的にあまり入り込むことができなかった。
怪異のわちゃわちゃ感、コメディ要素、ミステリー要素、ホラー要素など、いろんな要素のある漫画だけど、どれもあまり印象に残らず中途半端になってしまっているように感じた。
あと全体的に画面が詰まりすぎているように感じて絵が入ってこない、セリフも読みづらいように感じた。
設定が良いだけにものすごくもったいなく感じる。
プリウス&ジョージ ATSUX
過疎化が進む田舎で警官をやっている主人公は、アンドロイドとタッグを組まされることに。
機械音痴な主人公と高性能ハチャメチャアンドロイドのコメディ漫画。

ネット上の感想
B級ポリスガンアクションの世界観で銀魂やった感じ 楽しく読めました
見せ方はまだ少しもたつくけど描いていけば洗練されるはず
二人の掛け合いが所々面白かった
パトカーは後輪の位置がコロコロ変わるしもっとリアルな絵なら良かった
カロリー周りの話はフフってなりました。
後半のバトルは元ネタは色んな洋画と見せかけてロックマンのような気がする
俺の感想
これはただの個人的な感覚だけど、なんかこの漫画からは熱が伝わってこなかった。
描きたいものを描いている感じがない。なんとなく浮かんだストーリーやキャラをなんとなく描いているように感じた。
だからか、このシーンいる?っていう場面やコマが多かったように感じた。
ストーリーもキャラも展開も演出もアクションも、全てに対してやる気や情熱がない状態で描かれているようなそんな印象を受けた。
ただの憶測だから全くの的外れかもしれないし別にこの漫画が嫌いなわけでもないんだけど、何故かそう感じてしまった。
侵生活 独楽京助
ひとりぼっちの女の子が可愛い顔した宇宙人を拾い一緒に楽しく暮らすも、何やら不穏な空気が・・・。

ネット上の感想
アイディアは楽しいけどこれは12ページくらいでまとめた方がいいなあ
長さのせいで夾雑物を増やさざるを得ず、ネタの切れ味が鈍っちゃってる
一捻りあったのが良かったと思う 締めが弱い気がした
カワイイ見た目な宇宙人との同居生活、というハートフルな冒頭からこんな気持ちにさせられるとは、、。ギャップのある描写やラストの展開にドキドキしっぱなしでした。
最後の疑心暗鬼になってるセリフのオチが好き。
可愛らしい絵柄が展開に最高にマッチしていて読者の脳を混乱させてくる系だった
俺の感想
絵柄が独特で良かった。ページをパラパラめくって目が止まる、読みたくなるキャッチーな絵柄。
皿洗いのシーン、映画のシーンはしっかり怖い。読んでて普通に怖かった。この可愛らしい絵柄なのに。空気感の出し方がめちゃくちゃ上手い。
一旦宇宙人から逃げる、やっぱり友達だから話し合いで何とかしようとするの流れはすごくしっくりきて気持ちいい。アクシデントに対してキャラクターが納得いく行動をとってくれると入り込んで読める。
同じく宇宙人が全く聞く耳を持っていなかったこと、あっさり殴られたところもすごく面白かった。
どういう風に話が進むのだろうかと先が読めなくてワクワクした。
急なぽっと出感のある真相ではあるけど異星人の表情が可愛くて愛嬌があったから最後まで楽しく読めた。
ヒルガンドウ 秋智成
人には見えない化け物を退治する一族である主人公とその妹。
妹は強く兄は弱く、いつも足を引っ張ってばかりの兄は強くなろうと努力するが・・・。

ネット上の感想
あらゆる情報が同時に流れてきて要点が掴みにくい
さらっと流して構わないような情報にもマーカーが引いてある感じ
例えば兄妹の名字「潮切目」が象徴的だけど、なんでまたこんな意味がありそうな癖の強い名字にしちゃったの?
本筋に関係ない部分は「いつものアレです☆」でサラッと済ませちゃって、主軸になっている兄妹の関係性を描写から感じ取らせることが出来たらかなり面白くなる
一から十まで解説しちゃうのは読者を信用してない証拠よー
最初の敵を倒す所が見えない角度で何してるか分からなかった
妹はデレはあってもトータルで好感度ゼロだな
最後の敵は蛭なのかな、蛭が何なのか分からなくなってきた
テンプレ通りの兄妹愛の話だけどそれがめっちゃ好き
絵はこれからとしても、演出は自分好みだから頑張ってほしい
絵が読みやすい!書き文字とか画力ついていけばかなり化ける人なのでは。見せ方が上手い。
俺の感想
細かいところまで設定が入っており骨太な漫画を読んだ気持ちになれた。
設定が細かい故に能力や家系の説明シーンが多い印象は受けたけど、そんなには邪魔に感じなかった。
弱い兄が家を出ていかないことにちゃんと正当な理由が用意されていたのが特に良かった。
妹の行動原理とか、なぜかある「1敗」とか、いろいろな箇所に設定や理由付けがされているからご都合主義を感じない。ちゃんと世界や物語、キャラが構築されて生きているように感じられる。
この手の妹がデレる展開はこれまで何度も見てきたけど、この漫画のデレシーンは可愛かったし嫌悪感もない。むしろもっとこの兄妹のやり取りを見たいなーと思える。
そういう風に、絶妙にこっちの不快感とか既視感を抑えるセリフ作り、設定作り、演出を行ってくれているように感じた。
花喰う娘 遥川潤
賭博、タバコが好きな青年と頭にちょうちょを付けた不思議系天真爛漫女子が織りなす怪異物語。

ネット上の感想
絵も上手いストーリー構成も悪くない ただキャラが魅力を欠く
ストーリーを転がすための駒のポジションからはみ出ていない
そのせいで派手な戦闘もあるのにドラマが熱気を持ててない すこーし早口なんだと思う
描き込みがすごくて場面転換が唐突で難しいことしてると読みづらい
肉まんの中身吸出した流れと急に歯をチェックした流れが把握できなかった
「突っ込むな」で特に無傷なの違和感、危なかったとか一言欲しい
リンファがめちゃくちゃいいぜ。間抜けを自覚し演じるピエロ。
九龍城砦的世界観も遥川先生の描くキャラも好きなので満足。これを生存戦略と表現したのも良い。
バトルシーンが自分にはクリティカルすぎました…笑
設定は理解しきれてないけど何となくでも伝わって楽しめるのはすごいと思いました。
俺の感想
背景描写や設定構築など、世界観の作りこみがすごい。
怪異に寄生されている設定が気持ち悪くてすごく良かった。
最後かわいそうな感じになってる怪異を食べたシーンもインパクトがあってすごく良かった。
なにか、他の漫画とは違う独自性、テンプレではなく捻ったものを描いてやろうという作家性を感じる。
子どもが探してた友達が怪異だったって展開も面白かったし、なんかいろいろと良かったな。
僕に大きいお姉ちゃんができる話 四谷啓太郎
親が再婚することになった中学生男子の主人公。
新しい家族なんて絶対認めないという信念が大きいお姉ちゃんに揺るがされていく。

ネット上の感想
巨女がばーんと出てくるだけの出オチ1発ネタだけど最後まで楽しく読めた
お見事でございます
ジャンプGIGAってこんな業が深い作品載ってるのか
でかすぎる……に脳が破壊されててめちゃくちゃ笑った。
でかすぎる……のバリエーションも多彩。 なによりオチがいい。
色々と規格外なお姉ちゃんに少年の何かが破壊されていく覚醒の物語に笑いが止まらなかったです。アングルといいシチュエーションといい全てがこだわりありすぎて感動しました。
俺の感想
すごい面白くて何回も笑った。
もう面白くて笑ったということ以外何も書くことがない。
ただただ面白くて笑った。
竜は縁側で笑う 三上裕
人間に追われ異世界から逃げてきた竜が田舎のおばあちゃんに拾われる。

ネット上の感想
最後に竜が方言を使うの良かった
読みやすく分かりやすくて良かったです。
いい感じだな ほっこりする
俺の感想
竜の姉ちゃん×ばあさんという今までにない異色コンビが新しい。
ばあさんのちょっとしつこい優しさは妙なリアリティを感じられて面白かった。
最後の解決法が雨雲を散らすというのも派手だしインパクトがあって良い。
ドラゴンが普通に人間の生活に溶け込んでいるのはシュールで面白かったし展開的な面倒くささがなくて良かった。
猫屋敷の魔法節約術 川村和
魔法が使えるが故に組織に追われ、身を隠して生きている主人公。
お金がなく魔法で節約生活をしているところをお隣さんの女の子に目撃されてしまい・・・。

ネット上の感想
作品世界が結構特殊なんだけどその割に説明無しで進んでしまうので主人公の特殊性が掴めなかった
こんな感じかなあ?というフンワリした理解で読み進めてるから乗り切れないとこあった
クッキー周りの伏線と回収が綺麗すぎる
貧乏キャラはいっぱいいるけどカロリーのために取り組んでるのは個性的で面白い笑
保有カロリー設定が急に出てきて風魔法は50kcal消費なのに200も減ってるのが謎
峰住が借金より猫屋敷を取る理由が弱い気がした
テーマのみみっちさが面白い。 魔法を使うのにカロリーが必要なの好き。カロリー表示良い。
俺の感想
料理や栽培など、普通の生活に魔法を絡めているのが新しくて面白かった。
魔法の描写も魅力的で、その特殊性と日常のなんでもない行為が混ざってて楽しい。
ちゃんとファンタジー×日常の面白さが表現されている。
ヒロインが敵側だったのは普通に騙されて驚いた。
クッキーをスッて出すシーンはなんかキュンとくる。印象に残るし可愛いし物語としても大事なポイントだし、いろいろ良い。
読み返してみると結構シンプルな構成の漫画だけど充実感がある。
良かった。
風呂好きキリン 鍋ヒデアキ
孤独に生きていたエクソシストは銭湯で人の温かみを知る。
守るべきものの為に悪魔と戦い続ける物語。

ネット上の感想
受付のポスターの描き込みや裸になって戦うのとか細かいところが好き
決めゴマの前がどういう動きでああなったのかいまいち分かりにくかった
王道の展開でも良い画力の人がやるだけで満足度が高いのは仕方がない。
そしてあの見開きはサカモトデイズを思い出さざるをえないのも同様に仕方がない。
話が読みやすいし絵も好きです。
俺の感想
各シーン見せ方を工夫していた印象。
ポスターに手を差し伸べる場面とか悪魔が出てくるシーンとか。
目を引く構図で描かれているので読みやすいし退屈しない。
シャワーのボタンを何度も押すところとか、たらいを使って戦うところとか銭湯が感じられるシーンが多数用意されていたのも良かった。
特に見せ場の見開きシーンがかなり印象に残る。インパクトがあって良かった。
魍魎語り 都沢南風
怪異が見え、それを伝奇として記している作家の主人公。その作品に強い憧れを持ったことから怪異が見えるようになったファンと共に怪異の取材に向かう。

ネット上の感想
年齢の描き分けは早めに身につけた方がいいと思う
叔父さんが同世代にしか見えなくて戸惑っちゃった
何か登場人物が好きになれないな
奇聞の着物が原稿用紙柄なのが良かった
他の作家さんと比べて圧倒的に画力が高くてちょっとびっくりした。
読んでる中で一番スッキリした。木霊ちゃん良い仕事する。
読んでる中で一番和ファンタジーが好きすぎる 絵も綺麗だし日野くんとこだまちゃんズ癒し
俺の感想
「気分が良い」のシーンから主人公の理念とか行動原理みたいなものが伝わってきて良かった。
主人公が仲居さんの問題に気付くきっかけやおじさんの撃退法にも怪異が関わっていて設定を生かした構成が行われているのも良かった。
伝奇として出しているものを伝奇扱いすると怒るというのは理不尽に感じた。理不尽設定のキャラであるにしても奇人変人ぷりが面白いというほどには突き抜けておらず、単純にちょっと嫌な奴程度にしかなってなかったのがもったいなく感じる。
ネコルが健康にしてあげる!! すがたひかる
不摂生な生活を送り25歳で死ぬことになる主人公。
そんな彼を助けるため親が猫型ロボットを開発し過去へ送り息子の生活改善を試みる。

ネット上の感想
萌え系作品にはまるで愛のない人間でも楽しめたので良作判定
成長したらドタバタコメディの名人になりそう
腕が戻ってくるところは笑った
デフォルメ顔で上まぶたが直線になるのめちゃくちゃ気になる
コンセント要素とイヌルの出番が見てみたい
血圧測定好き。
俺の感想
しずかにしねとか日帰りのシーンとかが面白くて笑った。
インパクトのあるギャグシーンを描くのが上手いように感じる。
ネコルのデザインは尻尾がコンセントになってるところが良かった。でもそれ以外がロボットっぽくない、むしろ露出高めで人間感が強いからもっとロボットぽさが出るようなデザインにした方がキャラが出るのではないかと感じた。
SITH≠HUNTER 望月巡
人に危害をもたらす妖精を退治する妖精ハンターの主人公。
妖精に両親を殺されたヒロインと出会い・・・。

ネット上の感想
アクションがめちゃくちゃ分かりやすく爽快で読んでいて楽しかったです。
相棒ネコの可愛い&スマートな雰囲気も大好き。
ネコのキャラが良すぎて主人公が霞んでるのに多分作者も気づいているだろう。
絵は好きだけどキャラデザがあまり好きではない
猫が武器に変身したの分かりづらい、敵の解説でやっと分かった
敵に説教してるところは論点がズレてると思った
俺の感想
猫のキャラが魅力的だった。だから武器に変身してじゃなくて等身の高いそのままの姿で戦ってるシーンが見たかった。
人間も妖精も平等に見るという点に主人公の理念、キャラの特色が出ていて良かった。
猫に気づいてはってしてるシーンが面白かった。
ヒロインの境遇がありきたりで悲しみの描写もそんなに独自性がなかったことから事件そのものに対する興味があまり持てなかったのが残念な部分だった。
笑わない星 秋智成
笑顔のない星からやってきた王子は地球でお笑いを学ぶ。
ネタを作りお笑い事務所に売り込みに行くが中々受けず・・・。

ネット上の感想
「間違いを正す」ポジションを「ツッコミ」とするの、なんかすごく好き。
固定概念を持たない無垢な赤ちゃんだからこその「笑い」だね…
最後に子供が笑う=これからの世代には笑いの文化が広がっていく
ってことだろう
笑いの概念が存在しない星で漫才やって意味ある?に対する答えが最後のページ
何故笑う表現がないのかの世界設定は序盤に解説してほしかった。
でないと笑い=幸福になる理屈がわからない。
星人たちが地球人より高度な知的生命体であるという設定を補強できるような一幕も欲しい。
俺の感想
「オッケー もういいよ~」のシーンがインパクトがあってすごく良かった。
主人公がずっと1人で暴走してる感があって共感できない。好感度が低く応援しづらい。
けどそれをプククがそのまま言ってくれるからスッキリした。「最初からそう言いましょうよ」と「星の民は弱くない」のセリフが気持ちいい。
ツッコミと王からの言いつけを絡めているところもすごく上手かった。
王子が暴走しつつも応援したくなれるような健気さを感じられる描写を入れたり、面白いと感じられるくらいの暴走ぷりを描くなど、王子を好きになれる作りになっていてほしかったと感じた。
ギャラクシーハイウェイ 岡田大
治安の悪い荒れた銀河。交通法など誰も守らないそんな場所で運転免許を取るため路上教習を受けている女の子の物語。

ネット上の感想
主人公の思想主義にグッとこさせることは大事。好き。
「クソが」「加点」
この会話でもう「あっ名作だわ」ってなった
絵が好き会話のセンスも好き
週末の夜にピッタリな読後感でした!
センスとテンポがいい。
そして実際に発しそうな、それでいて心に残る台詞選び。めちゃめちゃ秀逸。
方向性はどうあれ、「イカれた銀河で運転免許を取る」っていう芯があるからこそ、話はスッとはいってくるし主人公のことも好きになれる
ミルキーハイウェイを思い出した
っていうかおそらく意識してる
でも好きだから好き
俺の感想
宇宙で自動車教習というカオスな設定が面白い。しかもその独特な世界観がちゃんと作品から伝わってくる。他の漫画じゃ見ない世界を見られているようで楽しかった。
主人公の表情が所々かっこいい。「これだから銀河は嫌なの」のシーンとかすごく好き。
全体的にクールな雰囲気がある。かっこよかった。
他人が無駄と思っていることでも自分にとっては意味があるというセリフもグッと来た。
けんちゃん 里折シオ
他人と心から触れ合えず愛想笑いばかりしている女子高生の主人公には1人だけ信じられる男子がいた。しかしその子は姿を消してしまい・・・。

ネット上の感想
最後の数ページで一気に好きになった
周りも主人公も普通に友達してるの不思議すぎて首傾げる。
俺といたら駄目だの根拠もなくて首傾げる。
雰囲気エモ。
めっっちゃくちゃ好みです!!!この作者様にしか描けない世界観、センスがある!!!
ラストのピースサインいいなあ
俺の感想
最後の人ごみのシーンが印象に残る。会いたい人が近くにいるのに見つからないもどかしさが伝わってきて良かった。君の名は。みたいな。
描きたい関係性とか展開は伝わってくるけど、主人公がなぜけんちゃんだけはOKなのかがよくわからなくて入り込めない部分があった。
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