2019年12月26日に発売された「ジャンプGIGA 2020 WINTER」。

週刊少年ジャンプの増刊号であるこの雑誌には、新人作家の読切漫画が掲載されています。
それら掲載漫画の紹介と、ネット上の感想をまとめました。
暗狩りの吸血鬼 原作:後藤冬吾 漫画:松浦健人
吸血鬼探偵「蔵影ネオン」に、怪奇現象の相談をもちかけるヒロイン。
報酬である人間の血を得るため、蔵影ネオンは化物の力を使い、霊怪に立ち向かう。
困った人を助けるのは当然だというヒロインに、ネオンは問いかける。


ネット上の感想
不気味な絵にセンスが感じられる。
ストーリーにいろんな要素を詰め込みつつ破綻させない構成力がある。
筆者の個人的感想
扉の奥にいる主人公や傘を差している主人公の顔に影がかかっている描写がかっこいい。
鉄の二人 典村典弘
『視る』ことで他人の脳に入り込めるゼロと、超絶高い身体能力を持ったロゼが運営する「探偵機関」。
何をする機関なのかわからないが、とにかく探偵機関が生まれてから警察の仕事は単純になった。
インパクトある作風で描かれるウザい貴族たち。
それらをぶっ飛ばすギャグなのかシリアスなのかわからないがとにかく勢いがある漫画。


ネット上の感想
ストーリーは平凡だが、キャラと演出が個性的でぶっ飛んでいたので楽しく読めた。
アホみたいに迫力がある。
ジョジョっぽい。
背景が白すぎる。もう少し丁寧に描いて欲しい。
筆者の個人的感想
最初は独特なノリに引いてしまったけど、読み進めると逆にそれが楽しく読めた。
ロゼが好き。優しさや寛容さを感じる。
樹海面接 原作:犬塚アキラ 作画:武山純大
自殺をするため樹海に入った主人公。
しかし自殺の名所である樹海は既に地縛霊でいっぱいとなっており、自殺するには面接による選考をクリアしなければならない。
死亡動機を聞かれるなど、自殺と面接をマッチさせたコメディ漫画。


ネット上の感想
自殺に面接という着想と言葉遊びの巧さが楽しめた。
全てのコマにセリフがみっちり入っていて読みづらい。
筆者の個人的感想
読みやすい絵。キャラデザもしっかりしているように感じた。
アルカトラズ先生 奥谷大樹
登校拒否の息子のため、父が雇ったのは、元刑務官の化物のような家庭教師。
父親もろとも檻に入れられ真人間になるための人権を無視した教育が始まる。
父親の順応性に注目せよ。


ネット上の感想
親父と主人公のツッコミが最高。
ギャグは笑えたしキャラも立ってた。
家庭教師のキャラにもう少し意外性や仕掛けが欲しかった。
筆者の個人的感想
お父さんの言動が面白かった。シャバに出るのが楽しみだなぁのシーンなど、セリフも表情も面白い。
墓守少年じゅじゅへんけい
死体をアンデットに変える「死霊札」を回収する旅を続けている墓守の一族である主人公。
死霊札の悪用により造られたアンデットと戦うため、両の義手を駆使して戦うぞ。


ネット上の感想
連載経験者なだけあって画力が高いし読みやすい。
パンチ力に欠けるので、もう一歩何かインパクトのあるものが欲しい。
筆者の個人的感想
一度読み始めたらそこまでストレスなく最後まで読むことができた。
街角のピアノマン
鼻血の出し過ぎで死んだ幼なじみの天才ピアニストが幽霊になって現れた。
才能の差や、周囲の目線を気にしてピアノを楽しめなくなった主人公に幽霊の幼なじみが語りかける。


ネット上の感想
作者の漫画力が高いことが強く感じられる
テーマやストーリーはありきたり。それでも読めることから作者に漫画を描く力があることがうかがえる。
筆者の個人的感想
絵が見易くて読もうという気になれた。常に鼻血を出してて鼻に絆創膏を貼ってるヒロインのデザインが好き。
天使に死の行進曲を 原作:大城タイキ 漫画:下地龍斗
天界の一流企業で働く天使である主人公。
できるだけサボることを考えて生きている彼が仕事のミスを理由に人間界に降りてくる。
働いたら負けを信条に生きる天使のギャグ漫画。


ネット上の感想
サラリーマンギャグを上手いことファンタジーの世界観に乗せていた。
日本に無神論者は多くない。無宗教が多いだけ。
原作者がまだネームを描き切れていない感じがあるから、ネームをたくさん描けばどんどん伸びていきそう。
筆者の個人的感想
絵にネウロっぽさがあり好感を持てた。逆にデフォルメされた顔はあんまり好きじゃなかった。
アンチトード ヤマサキリョウ
特殊なスーツで人外に変身し戦う格闘技「MFF」。
家族を殺した人外に復讐するため、MFFに身を投じる主人公と、そのメカニックであるヒロインが
化物相手に戦う物語。
NARUTOっぽい絵柄でド派手なアクションが繰り広げられるぞ。


ネット上の感想
シンプルで読みやすい。絵も世界観もナイス。
主人公のデザインが地味だからもっとキャラデザに華が欲しい。
筆者の個人的感想
筋トレしてる描写がかっこいい。地味ではあるけど黒髪短髪のキャラデザは好き。
SAKAMOTO-坂本- 鈴木祐斗
恋をきっかけに引退した伝説の殺し屋坂本さん。
ディスカウントストアで働く彼に、殺し屋時代の相棒と災難が降りかかる。
面白いぞ。


ネット上の感想
見せゴマの演出や描き方がめちゃくちゃうまい。
元殺し屋の太ったおっさんという設定が面白い。
その設定の面白さに主人公の魅力が追いつけていないものを感じた。
筆者の個人的感想
ジャンプ本誌の連載に期待。
侍ZOMBIE 岩倉具弘
人間をゾンビにする寄生虫が蔓延る江戸。
全身が包帯で巻かれた弱腰な主人公が、ゾンビで荒れた村にやってきた。
かっこいい侍やいかにも悪そうな野武士、眉がまぁまぁ太い姉ちゃんなどいろいろ出る漫画。


ネット上の感想
物語に意外性を出して読者を驚かせようとしている意欲が感じられた。
ゾンビである設定を生かしきれていないように感じた。ゾンビだからこそできるストーリーであってほしかった。
筆者の個人的感想
敵役の侍がかっこよくて好きだった。戦闘前の主人公の剣の構えも好き。
ドラガガガ 乾修太郎
竜と人が共存する世界。
羽を持たず飛ぶことのできない竜をパートナーに持つ主人公は日々馬鹿にされていた。
そんな中、竜が人を喰らう事件が起きていて・・・。
独特な絵がかっこいい漫画だぜ。


ネット上の感想
20歳でこれだけ描けてるのは驚き。別の作家に影響されている部分が薄れてオリジナリティが出せるともっと良くなりそう。
少ないコマでキャラと舞台に実在感を出せていて、特殊な世界観なのにすぐに入り込めた。
ラック弟のキャラが面白い。
筆者の個人的感想
キャラの表情がいい。ラック弟のセリフが笑えた。
MONKEY PUNKが好きだったので期待している。
BAR WINDMILL 重藤健
故郷を救うため祈祷師を探す主人公が、指名手配犯だらけのやばいBARで騒動に巻き込まれる。
癖が強すぎるキャラが次々と暴れ回るド派手なアクション漫画。
一体何が起きていくのか予想できない漫画だ。


ネット上の感想
キャラデザに多様性があり、ヤバい奴が次々と出てくる様は爽快。
先の読めない展開が面白い。コマとコマの繋がりが感じられず、目の滑る漫画になっているのが残念。
筆者の個人的感想
マジで帰ったん?のシーンが面白かった。
Anemone 松井琳
「タグ」と呼ばれる特殊な能力が発現する世界。
花を咲かせるタグで周囲の人気を得ていた主人公が、ある日タグにより人を傷つけ居場所を失ってしまう。ビルの屋上から地面を見下げる主人公の横にいたのは・・・。


ネット上の感想
自殺者にスマホを向ける無神経な大衆への怒りが刺さる。ストレートな主張がある漫画は、上手いだけの漫画よりよほど心に残る。
時間をずらしてミスリードを誘うテクニックがうまかった。
筆者の個人的感想
「23歳彼氏なし 今ビルの屋上にいます」の絵が雰囲気出ててよかった。
凸から吸血鬼 えびど〜
吸血鬼に噛まれ、吸血鬼となった主人公。
作者の性癖丸出しぽっちゃり体型のヒロインのため、主人公は悪い吸血鬼と戦うことを選択する。
ノリが軽く読みやすい、サンデーに乗っていそうな漫画だ。


ネット上の感想
吸血鬼がヒロインの腹肉を掴んでるシーンが笑える。
ヒロインがエロい。
テンプレ的展開でこれだけ描けるのだからいいアイデアが1つ2つ見つかれば売れそう。
筆者の個人的感想
ヒロインが妙にかわいく感じる。
ショパン 橋本渓吾
ロボットが人間のパートナーとして社会に進出した世界。
偉大なロボット開発者の娘であり探偵をやっている主人公の元に、暴走するロボットを止める依頼が舞い込んでくる。


ネット上の感想
絵が丁寧に描かれている。特に最初の見開きはがんばってる。
悪くはなかったがキャラが弱くてストーリーも雑に感じた。
ロボットの正体がわかったときのカタルシスが読者に伝わってこない。
筆者の個人的感想
くそったれと鉄骨を蹴ってるシーンが好き。
からの蠢動 HIrof
体内に宿す寄生虫によりとてつもない身体能力を持つ主人公は、父親の遺言に従い困った人を助けるために生きていた。そんな中、寄生虫を殲滅することを目的とする組織に協力を頼まれる。
スピード感とセンスを感じるアクション漫画。


ネット上の感想
絵に躍動感がある。
キャラデザに華があり、独特な雰囲気を出せている。
ジャンプにあまりないブラックユーモアにセンスを感じる。
もう少しコマ割りにメリハリをつけて、大ゴマを上手く使うことができたらさらに面白くなりそう。
筆者の個人的感想
俺行っていいですかのシーンが好き。全体的に独特な癖があって新鮮味を感じる。