デスピリアをクリアした。
ネタバレあります。
アルーアの心理描写がいい味を出している。
何か出来事が起こるたびにアルーアがそれに対する思いを述べてくれるから場の雰囲気とかキャラの相関図が掴みやすい。
臨場感も出る。小説みたいな面白さのあるゲームだった。
キャラのセリフも歯切れがよくて読みごたえのあるものが多かったように思える。
ストーリーの始まり方もよかった。
列車事故から始まって、その中でアルーアの立場がどんどん明かされていく。
普通に構成したら教会と教会におけるアルーアの説明から入って、これから任務のため列車に向かうってところから始まるんじゃないかな。
事件の始まりから描かれることで最初から話に興味を持てたし、アルーアの心理描写の中で設定の情報が小出しにされるのもうまいこと感情移入の度合いとか没入感を高めてくれた気がする。
マインドが実は人間が作り出した生き物で、それを神に与えられた力だとしていた教会やそれを信じていたアルーアをバカらしく感じさせる展開は痺れたね。
今まで信じていた教会に対する不信感が募っていき最終的にはただのカルト集団にしか感じられなくなる自分の感情の変化が面白かった。
マインドの生成も面白かった。
最初は意味がわからなくて苦労したけど素子によって上がるステータスやレベルアップの方法を理解してから一気に楽しくなった。
何よりマインドの分解で素子が無駄にならず全部戻ってくるのがありがたい。
あれのおかげで試行錯誤が気楽にできる。
どんどん素子を詰め込んでマインドを強化していくのが面白かったな。
敵が素子を落としてくれるのがうれしいから後半はイベント戦闘が来るたびに喜んでたもんね。
相手の心を食らうのが楽しいというゲーム本来の流れとは逆の感情を抱いてしまった。
あと、最初にアルーアが持っているマインドが強いのも最強のマインド使いの設定に合ってるし、アルマとダークエッグを目指して強化していこうというやる気にもつながってよかった。
でも結局その2つにはたどり着けなかったね。
クリア後に攻略サイトを見て作り方を知った。
嫌だったのは敵の使ってくる変化球的な技。
混乱とかマインドをストックに戻してくる技とかマインドを瀕死にしてくる技とか。
元々そういう技は厄介なものだとはいえ、めちゃくちゃ面倒くさかった。
メガテン3みたいに耐性をつけて対策できたらいいんだけどそれができないから結局運ゲーにしかなってない気がしてだるかった。
俺がとった作戦もアイテムで敵を常に石化させておくというハメ技みたいなやり方だったし。
まぁとりあえず面白いゲームだった。
ストーリーも先が気になるし、プレイしていてドキドキするし、かなりクオリティが高いゲームなんじゃないかと思う。
けど実際はファンサイトがあんまり充実してないしこのゲームを語っている人も少ない、端的に言って人気がないゲームのように思える。
もっとコアなファンがたくさんいてもおかしくない・・・むしろいないことが不思議なのに。
内容的にはかなりえぐいゲームで、ホラー的な描写も結構あるんだけど、急に怖い画像が出てきたり怖い音が鳴ったりしてびっくりするような作りになっていなかったからホラーが苦手な自分でも楽しめた。
何か画像が出てくるときは画面がフェードアウトして真っ暗になった後だったり操作がきかなくなって2秒後とかだから心の準備ができて耐えられる。
もうちょっとホラー色の強いゲームだったら俺にはプレイできなかったな。