FC版のドラクエ1をいまさら初プレイ

今更ながらFC版のドラクエ1を初クリアしたので感想を書きます。
良いところ悪いところ語ります。

村人の会話や装備品の情報など自らのメモを作成し攻略に挑みました。

マイラ奥の毒沼じいさんは結局なんだったのでしょうか
良かったところ

それではまず良かった点、面白かった点について書いていきます。

シンプルなゲーム性

当たり前ですがこのゲーム、めちゃくちゃシンプルです。
プレイヤーキャラは主人公1人だし敵も1体しか戦闘に出てきません。常にタイマンです。
基本ただの殴り合い、最近のゲームと比べると戦略性は乏しいです。

でもそれが良い。

情報に溢れたこの世の中、シンプルに殴り合うだけのゲームが身に沁みます。
新しいゲームをプレイする中で複雑な操作、複雑なルールを覚えることに疲れを感じることもあると思いますが、そんなときにはこのゲームがオススメです。

絶妙なゲームバランス

本作はレトロゲームなだけあって敵が強いです。
ゲーム開始時フィールドに繰り出してもほとんど先に進めません。
ちょっと遠出をしようものならドラキーやゴーストにボコられます。
スライムを1体倒すのに必死です。

薬草はまさかの24ゴールド。
昨今のドラクエでは8ゴールドで売られている薬草ですが、本作では高すぎて序盤は絶対に買う気になれません。薬草を買うくらいなら装備を整えたほうが絶対に効率が良いからです。
薬草を爆買いして無理やり先に進むプレイができない以上、スライムを2,3体倒したら宿屋に戻ってまたスライムを倒しに出かけるというループを繰り返すしかありません。
しかもそうしてやっとの思いでレベルを上げたとしても大して強くならないのです。
本作のレベルアップは強くなった実感が持ちにくい。
なんて地味なプレイ。
レベルアップしたとて今までの強敵は相変わらず強いし行動範囲が一気に広がるわけでもありません。

でもそれこそが面白い部分です。
地味な作業を繰り返すことでじわ~っとプレイ感が変わっていくんです。
今まで2回の攻撃で倒せていた敵をワンパンできるといったわかりやすい変化はそうそう起きません。
でも乱数に関わらず確実に2回攻撃で倒せるようになっていたり、被ダメージがわずかに減って宿屋を挟む回数が少なくなったりと、じんわりとした違いが感じられるようになります。
そうする中で行動範囲が徐々に広がり、新しい土地に足を踏み入れられるようになったときの感動。
最近のゲームでは味わえないそういった快感がこのゲームにはあります。

絶妙なゲームバランスでした。
ただ個人的にはその絶妙なバランスは中盤まででした。
ドラクエは鋼の剣を買うあたりが一番面白いと言われていますが、正に鋼の剣を買ったあたりから敵の熾烈さが増し、この絶妙なバランスが崩れたように感じました。ここは悪かった点で詳しく述べます。

パスワード方式は逆に良いね

今のゲームには当たり前に存在するセーブ機能ですが、本作はセーブデータを持つことができません。
ゲームを中断・再開する方法は昔ながらのパスワード方式、おなじみの「復活の呪文」です。

ゲームを始めるたびに毎回長ったらしい暗号を打ち込まなきゃいけないわけですが、意外にもパスワードだからこその安心感を覚えました。
ゲームの進捗がデータに依存しないのです。例えゲームソフトが壊れても暗号さえ控えていればデータは確保できます。
しかも現代はスマホがあるので呪文の書き間違えも起こりませんし、お手軽にセーブデータをいくつでも手元に残しておけます。
アナログ的にセーブデータを残せるこの方式は、逆に安心感を感じられました。

ゲームの歴史・時代が感じられるシステム

本作ドラクエ1は堀井雄二氏がウルティマやウィザードリィに影響を受けて制作した紛れもないJRPGの1作目、始祖と言えるでしょう。
日本1発目のRPGなだけに現代では考えられないシステムが数多く備わっています。

まず何よりコマンドの多さ。
「調べる」「扉」「階段」「取る(宝箱を)」といったコマンドが所狭しと並んでいます。
階段はマスに入ったら自動で階移動すればいいと思うし、「調べる」と「取る」は統合して良いと思います。
実際後発のドラクエでは上記コマンドは全部調べるボタン1つで事足りる仕様になっています。
でも最初の作品だからこその、この不格好さが面白いですよね。
ポートピア連続殺人事件の系譜、コマンド式のゲームを作ろうとしていた感じがすごく伝わってきます。

そもそも本作をプレイしていて、コマンド式RPGというものについて改めて考えさせられました。
横スクロールアクションで敵を倒すのではなく、自分で選んだコマンドによって文章形式で戦闘が進んでいきます。
キャラクターは自分の頭の中で動き戦う。
これってやっぱり面白いですね。
当時のゲームでは表せなかった3次元の戦いを想像上で楽しめるのです。

JRPGの成り立ちを感じられる部分がかなり良かったですね。

悪かったところ

プレイしていて不満を感じた点を書いていきます。
個人的な感想ですが断定的な書き方をしていくのでご了承お願いします。

ラリホーうざすぎ問題

本作に登場する呪文の1つ「ラリホー」。
これは相手を眠らせる呪文ですが、敵に使われると100%の確率で眠らされます。

常に1vs1のこのゲームで確実に眠らされる恐怖。
もちろん眠っている間は殴られ放題。ただ起きるのを待つだけのゲームです。
しかも長いときには4,5ターン眠りっぱなし。
体力が満タンの状態から格下の敵に一方的に殴られてゲームオーバーになる痛みを堀井雄二に教えてやりたいです。

ベホイミうざすぎ問題

本作の敵はベホイミという凶悪な回復魔法も使ってきます。
データを参照したわけじゃないので確かなことは言えませんが、体感的にはベホイミを使われると敵の体力は完全回復しているように思います。
3回攻撃しないと倒せない敵が、2回の攻撃を当てた段階でベホイミを使って完全回復してきます。
再度2回攻撃するも、またもやベホイミで全回復という・・・やるせないことこの上ないループを何度も味わいました。
こんなのはプレイヤーにのみ許される戦法です。
しにがみのきしをこのゲームから消してください。

こっちの呪文効かなすぎ問題

上記の呪文問題への対策として、敵の呪文を封じる「マホトーン」を使用すればいいと考えるのが自然な発想でしょう。
しかしこのゲーム、こちらの呪文はやたらとスカります。
1vs1の戦闘で貴重な攻撃機会を犠牲にした上にMPというコストを支払って発動させた呪文が「しかし じゅもんは きかなかった」の一文で終わらされます。
こんな理不尽なことがあるのかと憤りを禁じ得ません。
ボスにはともかく雑魚敵には効いてくれてもいいだろう。
状態異常ならともかくギラやベギラマの攻撃呪文くらい効いてくれてもいいだろう。
そういった思いが噴出していました。

かげのきしうざすぎ問題

本作に登場する敵モンスター「かげのきし」。
こいつはうざすぎです。

登場時点において非常に高いダメージを与えてくる上、耐久力も高く、それでいて何より恐ろしいのが回避率の高さです。
こちらの攻撃を2回連続で避けてくることなんてザラにあります。
4回連続で避けられたときは何かが切れそうになりました。
1vs1の戦闘、1ターンを削る戦い、そんな中でこいつは攻撃を避けることでこちらの貴重なターンをいともたやすく無価値なものへと消化してきます。
これで攻撃力も耐久力も高いっておかしいだろうが!!
その上経験値もお金もそんなに持っているわけでもないという、なんなんこいつと悪態をつきたくなるモンスターでした。

大体「がいこつ」「しりょう」「しりょうのきし」「かげのきし」と、骸骨系モンスター短いスパンで出てきすぎです。
「かげのきし」はメルキド周辺から出てくるようにしてください。お願いします。

メルキドへの道厳しすぎ問題

ゲームバランスについて述べた部分で触れましたが、本作のゲームバランスは途中から大きく変化したように感じました。
具体的にはメルキドを目指すあたりからです。

ガライを南に下り橋を渡った先で登場するモンスターがやたらと強く感じます。
キメラは良心的です。問題は上記のかげのきし、更によろいのきし、キラーリカント、メイジキメラなどなど・・・。
こいつら強すぎて逃げながら無理やり前に進むプレイをしないとメルキドにたどり着けないように感じたのですがどうでしょうか。
しかもその先にあるドムドーラに出てくるモンスターは更に凶悪、の割にメルキドを守るゴーレムは妖精の笛で楽勝という、一体なんなんだと叫びたくなるようなゲームバランスでした。
ドムドーラとメルキドの位置を入れ替えてください。お願いします。

メルキドを目指すあたりからはレベルアップや装備の補強で何とかなる部分が少なくなり、いかに敵のラリホーが来ないか、逃走が成功するかを祈る運ゲーになったように感じました。

まとめ

悪い部分もたくさん書きましたが、日本に浸透していなかったRPGの1作目で今の時代でも楽しめるほどの作品を生み出す堀井雄二氏の手腕に驚かされる作品でした。
グラデーションのようにじわじわと強くなっていく喜び、半径10マス程度しか動けなかったフィールドの行動範囲が徐々に広がる快感、そういう地味な面白さがこのゲームには確かにあります。
チョコレートでもつまみながらゆっくりプレイするのがオススメです。
余談ですが私は銀河高原ビールとオールシーズンチョコレートを口にしながらプレイしていました。

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