関ジャムにて、すずめの戸締り主題歌「すずめ」のデモ版が公開

関ジャニ∞が様々なアーティストをゲストに迎えトークを行う音楽番組「関ジャム 完全燃SHOW」。

2022年12月4日に放送された「新海誠作品の映画音楽特集」にて、新海誠、野田洋次郎(RADWIMPS)らがゲストとして出演しました。
「君の名は。」や「天気の子」に関するものも含め、すずめの戸締りにおける楽曲作りに関するトークが行われています。

この番組の中で、すずめの戸締りの主題歌「すずめ」のデモ版が公開。
本記事ではそのデモ版の情報を始め、当番組の概要についてまとめました。

主題歌「すずめ」デモ版

この番組ではすずめの戸締り主題歌「すずめ」の制作過程の音源として、

1.最初に作られた音源-デモ①
2.新海監督の要望を基に手直しされた修正版-デモ②
3.完成版

以上3つの音源が、聴き比べを行う形式で紹介されました。

イントロ部分

イントロ部分の各音源はそれぞれ以下のように紹介されました。

デモ①

野田洋次郎さん自らが声を当てたデモ音源。
完成版と同じく「ルルル」という、言葉ではない歌声から曲が始められています。

デモ②

新海監督から「もっと力強く始まりたい」という要望を受け、多重録音を積み重ねたような禍々しいイントロに修正。
また、「ルルル」ではなく歌詞がつけられています。
メロディも変わっており、コーラスと共に力強く歌われていてめちゃくちゃかっこいいです。

以下に歌詞を書き起こします。

闇の中で 光るは君の声 それを刹那 手繰りよせ

君の中で 光るその炎に 焚べる薪が 運命なら

すずめの戸締り 主題歌「すずめ」デモ音源
完成版

新海監督の要望によりデモ②では力強いイントロが生まれましたが、完成版はデモ①のように歌詞がなく「ルルル」から始まる静かな流れに戻りました。

完成版ということで、当然ボーカルも野田さんではなく十明さんになっており、より静かに綺麗に始まっている印象を受けます。

デモ②が不採用になったことについて野田さんは「あっち(デモ②)も良かったな」と述べています。

サビ部分

サビ部分の各音源はそれぞれ以下のように紹介されました。

デモ①

デモ①は完成品とは異なった歌詞になっています。
メロディに関しても完成版よりもゆっくりと落ち着いた印象を受けます。

以下に歌詞を書き起こします。

哀しきは 運命ではなく 朧げになる 尊き記憶

抗えど 迫り来る数多 の禍に

すずめの戸締り 主題歌「すずめ」デモ音源
デモ②

デモ②では完成版とほぼ同じ歌詞とメロディに変わりました。
しかしボーカルが野田さんだと十明さんとはまた違った魅力がありかっこいいです。

以下にデモ②の歌詞を書き起こします。

なんで泣いてるのと聞かれ答えれる 涙なんかじゃ

僕ら出逢えたことの意味にはまるで 追いつかない

心一つ じゃ足りない叫び

すずめの戸締り 主題歌「すずめ」デモ音源

最後の「心一つじゃ足りない叫び」は完成版では「この身ひとつじゃ足りない叫び」に変わっています。

野田さんによる解説

この3つの音源について野田さんは以下のように解説しています。

イントロ部分はデモ①に近い形になったけどサビ部分はデモ②が採用されている。
デモ②は力強い入り口になったことであのサビが生まれたので、両方のコンビネーションで良いとこどりができている。

番組内で述べられた他の内容

この番組では上記のデモ音源以外にも新海監督と野田さんの楽曲作りのやり取りについて様々なことが語られていました。
その一部をご紹介します。

楽曲制作の独特な依頼方法

「君の名は。」の楽曲制作は新海監督からRADWIMPSへ正式に依頼が行われましたが、「天気の子」と「すずめの戸締り」は少々独特な始まり方をしているようです。

新海監督から野田さんへ「新しい脚本ができました」と脚本のデータを送り、野田さんがそれを読み「脚本のイメージに合わせてこんな曲を作ってみました」と新海監督へ曲を送る。
天気の子はこのような流れで自然とRADWIMPSが楽曲制作に携わることになり、すずめの戸締りも同じ流れで楽曲制作が始まったとのことです。

新海さんは天気の子の脚本が最初に出来上がったとき、誰よりもまず野田さんに読んでもらいたいと感じていたようです。
野田さんは君の名は。の音楽を手掛けてから、もう映画音楽はやりたくないと感じていたようですが、なんだかんだで新海監督との3作品に渡る付き合いが続いております。

新海監督と野田さんのメールのやり取り

楽曲制作における新海監督と野田さんのメールのやり取りが一部公開されていました。
送られてきた楽曲に対する新海監督の妥協しない指摘や注文。
それにイラつきを隠せていない野田さんの返信。

最高のものを作ろうとするアーティストの厳しさ、苦しさが感じられる内容でした。

野田さんは音楽としての完成度、新海監督は音楽が映像に合わさるときの気持ちよさをそれぞれ優先していて、そのぶつかり合いが行われるということが述べられました。

君の名は。の楽曲制作においては一度OKになった音源が作り直しになった際に精神的にキツくなってきたという旨を野田さんが新海監督に告げていたエピソードも明かされました。

新海監督のビデオコンテ

映画作成に当たり、新海監督が1年かけて作成するビデオコンテも公開されました。

絵コンテではなく映画と同じ再生時間の動画としてビデオコンテを作成するようです。
ビデオコンテの中には新海監督が当てたキャラクターのボイス、SE、BGMも入っています。


君の名は。のビデオコンテでは、冒頭の「前前前世」が流れる箇所でRADWIMPSの楽曲「君と羊と青」が当てられていたこともわかりました。

新海監督が野田さんに期待している楽曲以上のもの

天気の子ではラストのセリフが決まらないまま制作が進んでいたことが新海監督から述べられました。
しかし新海監督は「最後のセリフに関して、野田さんが何かをヒントをくれるのではないか」と期待していたそうです。
そして実際、野田さんが天気の子の楽曲として作られた「大丈夫」から天気の子の最後のセリフ「僕たちは大丈夫だ」が決められました。

また、天気の子のヒロイン「陽菜」がラストシーンで祈っていることに関しても、野田さんの楽曲から生まれたものだと述べられました。

まとめ

「すずめ」のデモ②、めちゃくちゃかっこよかったです!
どこかでフル音源を出してほしいですね。

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